小規模マンションでの管理人の仕事事情

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  57戸の小規模マンションで3年間一人現場の管理人をやっていた。管理人と言っても管理業務は居住者のマンション建物への苦情、要望を管理会社に報告することとマンション内と外回りを清掃することが主な仕事だ。マンションの管理人にはなんの権限もなくいわゆる管理会社の下請けの清掃会社の清掃員と同じだ。そして管理会社は居住者から管理業務費という名目で管理員、清掃員の給料を徴収しているので、管理会社はわれわれに居住者へのへりくだった挨拶を要求する。居住者のなかには我々に丁寧に挨拶をかえす人もいるし無視する人もいるが私は気にならなかった。
 首都圏のこの地域は2社の旧財閥系の管理会社がそれぞれのマンションを管理していた。マンションの居住者は毎月高額の管理費を支払っていた。管理費はマンションの補修や設備の修理に充てられていた。
 勤務時間は朝9時から午後の3時までで昼1時間の休憩時間は無給だ。実質5時間の仕事。朝から清掃の仕事をして空いた時間管理室でボケーとしているだけだ。楽な仕事だが、ラジオを聴くのも本を読むのも禁止で退屈なのが難点だった。
 3年目だった。そろそろこの仕事に飽きてきた頃、管理会社の担当者が交代し、最初の理事会で管理員の管理業務費の値上げが議題にあがった時、私への苦情がでた事を担当者に言われいやになって辞めてしまった。